🏛 新潟県公安条例事件(昭和29年11月24日・最大判)|表現の自由と「明白かつ現在の危険」基準
🔹事件の概要
昭和24年(1949年)4月8日、
在日朝鮮民主青年同盟長野支部副委員長Xと、日本共産党上越地区委員会書記Yは、
密造酒事件で逮捕された仲間の釈放を求めて、**数百人を動員し警察署に押しかけるデモ行進(大衆示威運動)**を行いました。
しかし、彼らは新潟県公安条例で定められた高田市公安委員会の許可を受けておらず、条例違反として起訴されました。
🔹訴訟の経緯
被告らは、
と主張していました。
🔹最高裁の判示
最高裁は次のように述べ、上告を棄却しました。
集団示威運動について一般的な許可制を定めることは憲法の趣旨に反し許されない。
しかし、公共の秩序を保持するため、または公共の福祉が著しく害されるおそれがある場合に限り、
特定の場所・方法について合理的かつ明確な基準のもとに許可制を設けることは許される。
つまり、
-
許可制は原則として違憲だが、
-
「明白かつ現在の危険(clear and present danger)」 がある場合には限定的に合憲、
としました。
さらに、条例の効力についても次のように判断。
公安条例は、原則として属地的効力を持ち、県内での行為であれば県外居住者にも適用される。
🔹結論
新潟県公安条例は合憲。
被告人らの上告を棄却。
🔹反対意見(藤田八郎裁判官)
許可制の運用は公安委員会の自由裁量に委ねられすぎており、
集団行動を一般的・抽象的に抑圧する危険がある。
よって本条例は違憲である。
🔹判例の意義
本判決は、表現の自由・集会の自由の限界をめぐる重要な初期判例であり、
日本で初めて「明白かつ現在の危険」という概念を明確に示したものです。
この考え方は、のちの