2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧
事件の概要 この事件は、政治的活動を行った学生を私立大学が退学処分にしたことから起きたもの。学生は「この処分は憲法で保障された人権を侵害している」として大学を訴えた。 大学側は、「学内の秩序を乱すような政治活動は禁止されており、処分は正当」…
第1判例:平成27年12月16日 夫婦同姓訴訟(最大判) 事件の概要 民法750条は「夫婦は婚姻の際に定めるところにより、夫または妻の氏を称する」と定めており、実質的に夫婦どちらかの姓に統一する「夫婦同姓制度」を採用している。この制度が憲法13条・14条・…
事件の概要 兵庫県西宮市では、市営住宅の入居者が暴力団員である場合、退去を命じることができるとする規定(西宮市営住宅条例46条1項6号)が定められていました。 この条例に基づき、市が入居者に対して**「暴力団員である」として明渡請求を行ったところ…
事件の概要 いわゆる「サラリーマン税金訴訟」は、給与所得者(会社員)が給与所得控除制度をめぐって不平等であると主張した事件です。 原告の大島さんは、事業所得者などは実際にかかった経費を控除できるのに、サラリーマンは「給与所得控除」というみな…
事件の概要 フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれた子どもが、出生後に父から認知されたが、父母の婚姻がないために国籍法3条1項により「日本国籍の取得が認められなかった」事件。 当時の国籍法3条1項はこう規定していた 【当時の国籍法3条1…
事件の概要 この事件は、婚外子(非嫡出子)の相続分が、婚姻関係にある夫婦の子(嫡出子)の半分とされていたことが問題となったものです。被相続人の死亡後、相続人である非嫡出子が、相続分を嫡出子と同等に扱うよう求めました。 当時の民法900条4号ただ…
成年後見制度の目的 成年後見制度とは、判断能力が不十分な成人を保護・支援するための制度です。認知症や知的障害、精神障害などで契約や財産管理が難しい人をサポートするため、家庭裁判所が成年後見人を選任します。 【民法858条】成年後見人は、成年被…
未成年後見とは 「未成年後見」とは、親権者のいない未成年者を保護・監督する制度です。親が死亡したり、親権を喪失・辞任した場合に、家庭裁判所が「未成年後見人」を選任します。 民法第838条(未成年後見の開始)未成年者に親権を行う者がないときは、…
未成年者とは 民法では、満18歳未満の者を「未成年者」といいます。(※2022年4月1日施行の民法改正により、成年年齢は20歳から18歳へ引き下げられました。) ⚖️ 行為能力との関係 未成年者は、制限行為能力者に該当します。そのため、単独で有効な法律行為…
定義 行為能力とは、単独で有効に法律行為を行うことができる能力のことをいいます。 たとえば、契約を結ぶ・売買をする・借金をするなどの「法律上の行為」を、他人の同意なしに有効に行える力があるかどうかを示す概念です。 ⚖️ 意思能力との違い 能力の…
条文(民法121条の2第3項) 第121条の2第3項第1項又は第2項の規定により第三者に対して意思表示の無効又は取消しを主張することができない場合において、その第三者から権利を取得した者は、その第三者の地位に従って、権利を取得する。 意味と趣旨 この条…
条文 民法第3条の2法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。 解説 この条文は、「意思能力」を欠いた状態での契約などをどう扱うかを定めています。 意思能力とは、自分の行為の意味や結果を理解…
民法32条の2(同時死亡の推定) 数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。 意味をやさしく説明 たとえば、親と子が同じ事故や災害で亡…
事件の概要 胎児はまだ生まれていないため、通常は「権利能力」を持ちません(民法3条1項)。しかし、お母さんのお腹の中にいるときに不法行為(例:交通事故など)を受けた場合、生まれたあとにその損害を請求できるのでしょうか?この点が争われたのが「…
胎児に権利能力はあるの? 民法では、「人」は出生によって初めて権利能力を取得します。つまり、生まれていない胎児は、原則として権利能力を持たないとされています。 なぜなら、胎児はまだ「人」として社会的に存在していないためです。 ⚖️ 例外:すでに…
男女で定年年齢を分ける制度は憲法14条に反しないのか? 事件の概要 日産自動車事件とは、企業が男女で異なる定年年齢を定めていたことの適法性が争われた判例です。 1966年、被告会社(日産自動車)はプリンス自動車工業を吸収合併しました。その後も、旧…
事件の概要 尊属殺人事件(そんぞくさつじんじけん)は、**刑法200条(当時)**が憲法14条の「法の下の平等」に違反するとして争われた事件です。 被告人(娘)は、長年にわたり性的虐待を繰り返していた実父を殺害しました。当時の刑法200条は次のように定…
事件の概要 森川キャサリーン事件は、日本人男性と結婚して日本に在留していたアメリカ人女性・キャサリーン・森川が起こした裁判です。 彼女は日本で長年暮らしていましたが、海外旅行のために一時出国。再入国許可を申請した際に、かつて外国人登録法上の…
事件の概要 住民基本台帳ネットワークシステム(いわゆる住基ネット)は、全国の市区町村が住民の氏名・生年月日・性別・住所などをネットワーク上で共有し、行政事務の効率化を目的として導入された制度です。 これに対して、住民が「国に個人情報を一元的…
事件の概要 岐阜県長良川で発生した少年による殺人事件を、新聞・テレビなどの報道機関がニュースとして報じた。記事や映像の中には、少年の通う学校名や周辺地域の映像など、少年を推知できる可能性のある情報が含まれていた。 これに対し、少年の父親が「…
事件の概要 ノンフィクション作家Yが、自身の著書『逆転』の中で、過去に刑事事件の被告人だったXの実名と事件内容を描いた。 刑期を終えて社会復帰していたXは、「名誉やプライバシーを侵害された」として、出版差止めと損害賠償を請求した。 ⚖️ 争点 Yの…
事件の概要 1981年11月、日系アメリカ人宣教師が新規の外国人登録申請を行う際、外国人登録原票への指紋押捺を拒否したため、外国人登録法違反で起訴された事件です。 被告人は、 指紋押捺制度は憲法13条(個人の尊重・幸福追求権)および14条(平等原則)…
事件の概要 警察が被疑者の車などに 裁判所の令状なしでGPS端末を取り付け、移動経路を把握していた ことが問題となった事件。この操作により、被疑者らの行動範囲や生活状況が詳細に把握されていた。 被疑者は、「このような令状なしのGPS捜査は違法であり…
事件の概要 エホバの証人の信者である女性が、宗教上の理由から輸血を拒否していたにもかかわらず、手術中に医師の判断で輸血を受けさせられた。彼女はこれを「信教の自由(憲法20条)」や「自己決定権(憲法13条)」の侵害だとして損害賠償を求めた。 ⚖️ …
「プライバシーの権利」とは、個人がみだりに私生活を公開されない権利のこと。つまり、**「そっとしておいてほしい権利」**ともいえるよ。 憲法には明文で規定されていないけれど、裁判所は 憲法13条(幸福追求権・個人の尊重) を根拠にこの権利を認めてい…
事件の概要 茨城県の航空自衛隊百里基地(現・小美玉市)建設をめぐって、周辺住民が「基地の設置は憲法9条に反し、生活環境を害する」として国に建設差止めを求めた事件です。 ⚖️ 主な争点 自衛隊および基地設置は憲法9条に違反するのか? 周辺住民に「訴…
事件の概要 三菱樹脂事件とは、大学を卒業した原告が三菱樹脂株式会社に採用内定を受けて入社したものの、試用期間中に本採用を拒否されたことから起きた事件です。 会社側は、原告が学生時代に**政治的活動(学生運動)**を行っていたことを理由に、本採用…
事件の概要 作家 三島由紀夫 の小説『宴のあと』は、ある実在の政治家をモデルに描かれた作品。その内容が、登場人物の恋愛・健康・思想など私生活に関わる部分を具体的に描写していたため、モデルとされた人物が「人格権の侵害(プライバシーの侵害)」と…
⚖️ 事件の概要 「喫煙の自由事件」とは、1970年(昭和45年)9月16日の最高裁大法廷判決で示されたもので、在監者(受刑者)の喫煙を禁止した旧監獄法施行規則が憲法に違反するかどうかが争われた事件です。 受刑者は、 「喫煙の自由は憲法13条の幸福追求権…
幸福追求権の人格的利益説とは、憲法13条の「生命・自由・幸福追求に対する権利」を、人間の人格的な生存・発展に不可欠な利益を保障する権利と捉える考え方です。 憲法13条(抜粋) すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国…