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行政法の重要論点「公物」を完全整理|公用物・公共用物の違いまで解説

行政法の中でも「公物」は、用語が似ていて混同しやすいわりに、理解すると一気に得点源になる分野です。

この記事では、行政書士試験対策として

  • 公物の意義

  • 公物の分類(公用物/公共用物・自然公物/人工公物)

  • 公物の成立と消滅

  • 公物の使用関係
    最初から体系的に整理します。


1.公物の意義(公物とは何か)

公物とは、
👉 国または地方公共団体が、公共の目的のために使用・管理している物
をいいます。

ポイントは次の3点です。

  • 管理主体が 国・地方公共団体

  • 公共の用に供されていること

  • 私人の自由な処分に委ねられていないこと

📌 例
道路、河川、公園、庁舎、学校、港湾 など

※ 「公的主体が所有している」だけでなく、
実際に公共の用に供されているかが重要です。


2.公物の分類① ― 公用物と公共用物

(1)公用物

公用物とは、
👉 行政主体自身がその事務を行うために使用する公物です。

  • 行政内部で使用される

  • 一般公衆の自由使用は予定されていない

📌 具体例

  • 官公庁の庁舎

  • 警察署

  • 公立学校

  • 公立病院

🔑 判断基準:
誰が使うか(行政主体か)


(2)公共用物

公共用物とは、
👉 一般公衆の利用に供される公物です。

  • 国民・住民の共同利用

  • 原則として自由使用が認められる

📌 具体例

  • 道路

  • 河川

  • 公園

  • 港湾

🔑 判断基準:
一般公衆が使うか


▶ 公用物と公共用物の整理

区分 利用主体 具体例
公用物 行政主体 庁舎・学校
公共用物 一般公衆 道路・公園

3.公物の分類② ― 自然公物と人工公物

(1)自然公物

自然公物とは、
👉 自然の状態のまま存在する公物です。

  • 人為的に作られていない

  • 自然的存在そのもの

📌 具体例

  • 河川

  • 湖沼


(2)人工公物

人工公物とは、
👉 人為的に作られた公物です。

  • 建設・造成などの設置行為によって成立

📌 具体例

  • 道路

  • ダム

  • 公園

  • 庁舎

※「人口公物」ではなく人工公物なので注意。


▶ 分類軸の違い(重要)

  • 公用物/公共用物
     👉 誰が使うか

  • 自然公物/人工公物
     👉 どのようにできたか

📌 例

  • 道路:公共用物 × 人工公物

  • 河川:公共用物 × 自然公物

  • 庁舎:公用物 × 人工公物


4.公物の成立と消滅

(1)公物の成立

公物は、
👉 事実として公共の用に供されること
によって成立します。

  • 登記などの形式は不要

  • 実態が重視される

📌 例

  • 道路として供用開始 → 公物成立

  • 公園として開放 → 公物成立


(2)公物の消滅(用途廃止)

公物は、
👉 公共の用に供されなくなったときに消滅します。

これを 用途廃止 といいます。

📌 例

  • 廃道となった道路

  • 閉鎖された学校

用途廃止後は、
👉 私法上の普通の財産として扱われます。


5.公物の使用関係

(1)自由使用

  • 一般公衆が

  • 特別な許可なく

  • 平等に使用できる

📌 例

  • 道路を通行する

  • 公園を散歩する

👉 公共用物では原則として自由使用


(2)特許使用(特別使用)

  • 本来の用途を超えて

  • 排他的・独占的に使用する場合

📌 例

  • 道路に看板を設置

  • 公園に屋台を出す

👉 **行政庁の特許(許可ではない)**が必要


▶ 許可と特許の違い(頻出)

区分 内容
許可 一般的禁止の解除
特許 新たな権利の設定

👉 公物使用は特許がキーワード。


6.公物と私法の関係

  • 公物は原則として
     👉 私法の対象にならない

  • 売買・取得時効は原則不可

ただし、
👉 用途廃止後は私法の世界へ移行する。


7.まとめ

  • 公物=「公共の用」に供されている物

  • 分類は2軸で整理
     👉 公用物/公共用物
     👉 自然公物/人工公物

  • 成立・消滅は実態重視

  • 使用関係は
     👉 自由使用/特許使用